竣工 | : | 1993年 |
所在地 | : | 東京都江東区 |
用途 | : | 専用住宅 |
構造 | : | 木造 |
規模 | : | 地上3階 |
面積 | : | 敷地面積 76.1m² 延床面積 116.9m² |
敷地条件 | : | 近隣商業・準工業地域 |
家族構成 | : | 両親+息子 |
構造設計 | : | 井上建築構造設計室 |
担当 | : | 柏木穂波 |
掲載雑誌 | : | 新建築・住宅特集 1996年3月号 |
敷地は、幅2mの露地状部分を持った鉤の手状の形をした土地である。軒を接するようにして建つ中層建物によって周囲を取り囲まれた、下町特有の、家屋が密集する雑然とした環境の中にあるが、ただ南側だけは、長く地主と仲違いを続けて、建て替えることも出来ず、またその予定もない借地に建つ木造平屋建て住宅で、この点だけが、この敷地が持つ唯一最大の利点であった。
施主はこの土地に50年近くにわたって住んできた老夫婦と独身の長男で、主要な与条件は、下階を老夫婦の住居とし上階を長男が使用すること、上下階は内部にあっては完全に分離すること、膝の悪い老婦人が遠くない将来に車椅子を使用するかもしれない時の事を考慮して、外部から内部の主要室まで車椅子のままアクセスできるようにしておくこと、上階にあっては趣味の画のためのアトリエを設けること、などであった。