大島の住宅



竣工:1993年
所在地:東京都江東区
用途:専用住宅+店舗
構造:木造
規模:地上2階
面積:敷地面積 319.7m²
延床面積 197.8m²
敷地条件:近隣商業・準工業地域
家族構成:両親+若夫婦+子供2人
構造設計:井上建築構造設計室
担当:石川 淳
掲載雑誌:新建築・住宅特集 1995年1月号

敷地は、架空電線や広告看板が飛び交う下町の商店街の中程、東奥に2階建ての木賃アパートを抱え、西側でこの商店街に接する東西に長い矩形の土地である。
施主は、この地で古くから営んできた手焼き煎餅屋の2代目夫婦で、二人の子供と先代の老夫婦が同居する.施主夫妻は商店街に面していた旧店舗の中から、開店時間中ずっと通りの景色を眺め続け、そこを行き交う人々と挨拶を交わすという生活を送ってきた。
彼らから出された主要なプログラムは、店舗内に強い西日を入れないことと、閉店後と休業日には外の景色を見たくないし、外からも見られたくないというものだった。
室内はかなり内向的になったが、囲われたテラスやトップライトからの光によって、非日常性の獲得に成功している。