竣工 | : | 2009年 |
用途 | : | 専用住宅 |
主要構造 | : | 鉄骨造 |
規模 | : | 地上2階地下1階 |
面積 | : | 敷地面積 85.28m² 建築面積 41.11m² 延床面積 83.82m² |
敷地条件 | : | 第1種低層住居専用地域 |
家族構成 | : | 夫婦+子供4人 |
構造設計 | : | 田中正史建築研究所 |
設備設計 | : | ymo |
担当 | : | 小林恵太郎 |
協力 | : | 小川リエ建築設計事務所 |
掲載雑誌 | : | GA HOUSES No.111 |
敷地は南下がりの高台に位置していて、7メートル道路を挟んで北側には大きな樹木を何本も持つ古い平屋建ての木造住宅がある。視界を開き視線を飛ばす都市のスキマを見つけるのに難しさはないが、それとともに飛び込んでくる外部の風景は実在性に乏しく、書き割りのようで遠い背景にしかならず、
内部の風景は基本的に内側で完結することになる。
床を半層ずつずらしていくスキップ・フロアの構成としたのだが、この構成が運動を誘起し、様々な状景の重なりと視線の交鎖を誘導することとなる。居室のヒエラルキーはぼやけて中心は融解し、変わって諸室を繋いでいく空間が主役となって、
道行きとシークエンスが重要となる。配列された諸室もその前提的機能を奪われ、全体との関係の中で自らの位置づけを改めて考えざるを得なくなる。もちろん、引戸を閉めればいつでも閉じることはできるのだが、基本的には連続する全体空間の中に回収される。全体はいつでも一室空間になるのだが、
その全体は決して一律ではなく個性を持った空間郡が立体的に重なりながら連続するという、極めて都市的な風景となる。