O計画



「プラザ(広場)」のような空間をつくるのが提案の主旨であった。
敷地の中だけでプラザをつくるには少々狭いので、敷地をとりまく道路を計画に取り込んでいる。こうして獲得された平面的な広がりはとても程良い都市的スケールを持つ。そしてその中心に、2層分の吹抜け空間を持つガラスのホールを据える。ホールは「プラザ」の中心として四周の道路と一体となって機能し、その活動を都市空間に向けて発信するばかりでなく、この存在を知的に主張するだろう。 このホールの機能は、ホール開館時だけでなく、閉館時においてさらに発揮されることになる。ホールにプライバシーが必要な場合には、高い天井から下がるベルベットのカーテンを優雅に引く。この吸音質のカーテンは、硬質でシャープな都市的な空間を、豊かな音場を持った柔らかいアコースティックな空間に変貌させるに違いない。